京都の里山を駆けぬけて
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『京都の里山を駆けぬけて
アルキニスト/民族植物学者の哲学と軌跡』
■■■英明企画編集の本■■■
編著者 阪本寧男、物集女くらぶ
四六判 294ページ
定価 1,800円+税
ISBN 978-4-909151-80-3
2022年1月26日 発行
【帯の言葉】
孤高にして自由
そして天邪鬼な探究者
阪本寧男の魂の記録
【推薦文】
京都大学という密林(ジャングル)は、計り知れない知と行動力をそなえた人財の多様性中心である。人と植物との関わりを探究して世界を駆け巡ったフィールド研究者、阪本寧男の世界は、そのなかでもひときわ引き立ついぶし銀の輝きをはなっている。
―――――山極寿一
第26代京都大学総長/
総合地球環境学研究所所長
*
著者の阪本寧男氏は、民族植物学者とありますが、本書は阪本氏が子どもの頃に遊んだ里山の記憶を基点に、「発展」し「便利」になる暮らし、激しく姿を変えてゆく町、失われる里山の自然、戦争の爪痕……といった歴史的、経済的、文化的な側面にも言及しつつ、あちこちに生息していた動物、虫類、もちろん植物も、あらゆる生物についての調査を披露する報告書であるといえます。阪本氏は山科の生まれ。彼が生まれた山科と、現在の山科とではあまりにも風景が異なるそうです。
《ちょっと個人的なことを述べて恐縮であるが、そこがどんな場所であったかというと、標高約一八〇メートルのアカマツ林の典型的な里山であった。生活するのに必要な水はまさに、”水は天から貰い水”で、雨水だけが頼りであった。飲料水は雨水というわけにはいかず、地図の黒丸の左下に旭滝と書いてあるが、この小さな滝へ雨が降ろうが、雪が降ろうが、幼い子供の時から毎朝父と一緒に水汲みに行くことが、誰も絶対文句を言うことのできない日課であった。》(32~33ページ、2 私の「すいば」より)
昼間は停電し、夕方、外が薄暗くなると電気がきて灯りをつけることができる、といった記述もあり、現在では想像のつかないような、戦前の庶民の暮らしぶりが垣間見えます。
阪本氏はアメリカやフィリピンに渡航しての調査も行っています。
どこへ行っても、ひたすら歩いて採集し、調べています。
本書のタイトルには「駆けぬけて」とありますが、サブタイトルの「アルキニスト」とは、登山家をいう「アルピニスト」をもじった「アルキニスト=歩きにすと」なのだそうです。
カッコイイですね!
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カバー袖、奥付に記載されている編著者情報です。
【著者】
阪本寧男 さかもと さだお
1930年京都市生まれ。1954年京都大学農学部農林生物学科卒業。1962年ミネソタ州立大学大学院修士課程修了、農学博士(京都大学)。国立遺伝学研究所研究員、京都大学農学部助教授、同教授、龍谷大学国際文化学部教授を歴任。民族植物学専攻。
【編者】
物集女くらぶ もずめ くらぶ
本書の編纂の結成されたゆるやかな集まり。
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