-
「藝」「際」「間」を究める~JARFO三十年の歩み~
¥1,980
「藝(げい)」「際(きわ)」「間(あわい)」を究める ~JARFO三十年の歩み~ 石田 淨(いしだ じょう) 著 2024年6月20日 初版第1刷発行 1,800円+税 ISBN978-4-909819-17-8 C0095 ※※発送手数料にかんして※※ 本書は2冊までならスマートレターでお送りできます。 また、4冊までならクリックポストでお送りできます。 本書のみお送りする場合です。ほかの書籍との組み合わせの場合はこの限りではありません。 * 《「鑑賞」が孕む真実とは何か。》 《鑑賞者の精神状態は、アーチストの人生経験が凝縮された作品を通して表出される「気」の影響を受ける。》(本文より) 政治活動にのめりこみ、歴史研究に没頭した男の人生は とある企業メセナを担って以来 「運動としてのアート」へと大きく舵を切る。 芸術とは、作品とは何か。 創る者と観る者とのあいだには何が起こるのか。 今なお問い続ける石田淨、82歳にして初の単著。 (以上、帯の言葉) 【JARFOとは】Japan Art Forumの略称。「ジャルフォ」と呼称する。正式名称は「NPO法人京都藝際交流協会JARFO」。京都市内に2か所のギャラリースペースをもち、芸術家の活動や発表の支援を行っている。 * 目次 はじめに 第一章 私とは何者か 一 出生 二 十代~三十代 政治運動に憧れる 学生運動に没頭 大学院へ進み、幸徳秋水と社会主義を研究 ロシアへの関心 三 教職に就き、大いに学ぶ アルバイトに明け暮れた学生時代 教育現場での五十年間 徹底した個の尊重に瞠目 バブル経済とメセナ 第二章 人生を変えた「メセナ」 メセナとは 一 徳島ハレルヤ製菓株式会社 創業者 岡 武男 全国に先駆けた文化芸術振興推進企業 二 任意団体JARFO結成 バブル経済の崩壊 フィリップス大学日本校 三 NPO法人 京都藝際交流協会JARFOの設立 任意団体からNPO法人へ 第三章 「藝(げい)」「際(きわ)」「間(あわい)」を究める 評価の基準とは 一 日本における作品の「鑑賞」と「評価」 美術教育の在りかたに疑問符 二 「藝際」に込めたもの 「藝」と「芸」 「際」 三 「間」とは 「あわい」は「あいだ」でも「ま」でも「かん」でもない 「気」とは何か あるのか、ないのか JARFO三十年の歩み 【特別収録】 企業メセナの一形態 ――アートフォーラム三年間の歩み―― おわりに 参考文献 石田 淨 著作一覧 石田 淨 略歴 著者近影 * 石田淨さんとのご縁は、エディション・エフ刊写真集『揺れて歩く』がきっかけでした。 『揺れて歩く』は、著述家の清水哲男さんによる初の写真集。出版記念の最初の写真展(2020年9月レティシア書房)を開催した時に展示を見てくださった石田淨さんは、『揺れて歩く』をはじめ清水哲男さんの著作を高く評価されたのでした。それでギャラリー「JARFO京文博」(石田さんが代表を務めるNPO法人京都藝際交流協会が運営)での写真展開催を申し出てくださったのだそうです。 2021年4月に行われたその写真展は好評を博し、会場では『揺れて歩く』もたくさん売れました。 石田さんは『揺れて歩く』の編集手法や装幀デザインをたいへん褒めてくださいました。出版社としてこんなに嬉しいことはない、と感激したものでした。 JARFO京文博では従来から個性豊かな作家による個展、グループ展がコンスタントに開催されており、清水哲男さんの写真展もテーマを変えて何度も行われました。たびたび鑑賞しにうかがっていましたが、ある日石田淨さんが在廊されていた折にあらためてご挨拶したところ、著書執筆の企画をお聞きしたのでした。 2023年の秋のことでした。 * 「僕はもうトシですからね、時間がないんです。だから早くつくらないと」 二言めにはそうおっしゃる石田淨さん。 制作に着手してから完成までの間に、いったい何度海外出張に出かけられたでしょうか。とってもお元気です。 ほんとにお元気です。 * 石田淨自身の人生と、JARFO結成以来の30年を駆け足でたどる本書。 石田淨ならではの芸術へのアプローチ、鑑賞の解釈に触れてください。 あなたが次回展覧会へ行った際には、作品の見かたが、少し変わるかもしれません。 【著者】 石田 淨(いしだ・じょう) 1942年京都府舞鶴市生まれ。1973年立命館大学大学院文学研究科修士課程修了(西洋史専攻)。在学中より歴史教師として教鞭をとある。1993~96年、徳島県阿波之里アートフォーラム代表に就き企業メセナ活動に従事。1997年Japan Art Forum(JARFO)結成、代表に就任。
-
Go to Togo 一着の服を旅してつくる
¥1,650
『Go to Togo 一着の服を旅してつくる』 ■■■烽火書房の本■■■ 著者 中須俊治 四六判 224ページ 定価 1,500円+税 ISBN 978-4-9911160-0-1 2020年4月30日 初版第一刷発行 【帯の言葉】 「誰も見たことのない景色を見に行こう」と ぼくはアフリカ大陸をめざした。 * 著者の中須俊治さんは1990年生まれ。現在は株式会社AFURIKA DOGSの社長としてアフリカから輸入した美しい布地を展示販売したり、オーダーメイドで服に仕立てたり、オリジナル柄の布地をアフリカと京都の職人をコラボレーションさせて開発したりしています。 彼がなぜこうしたビジネスを興したか、その道のりを書いたのがこの『Go To Togo』です。 この本、とても面白い造本になっています。外からの見た目はごく普通の四六判の書籍ですが、ページを開くと、「あれ? 乱丁?」とつい不審に思ってしまいます……。 以下、版元の烽火書房さんのHPからの引用です。 《「グローバル人材」の意味がわからず就職活動をやめて、アフリカ・トーゴのラジオ局に行ったことから、大きく動きだした人生。 トーゴで出会った友達との「みんなが笑って過ごせる世界をつくりたい」という約束を守るため、いったん就職後、独立起業。トーゴ布職人と京都の染色職人の技術をつなぎながら、見落とされてしまうたくさんの価値をつないで、新たな服づくりに挑戦する株式会社AFURIKA DOGS中須俊治の奮闘記。 文化も違えば言葉も違う1万3000キロ離れたトーゴへ行くことは、文字通り価値観が回転するような体験です。この書籍では「日本編=縦書き」「トーゴ編=横書き」で展開し、舞台が入れ替わるたびに書籍を180度回転させながら読み進めていく一冊です。》 * 2020年4月にこの本が発売された当時、世の中はコロナ禍に見舞われ、誰もが思うような行動をとれずにいました。ところが中須さんの以降の活躍は目を瞠るものがありました。すでに手許にあった、トーゴから持ち帰った布地や雑貨、アート作品などを積極的に展示販売していきました。もちろん、人の集まるイベントがことごとく中止になっていくなか、そうした機会を得ることは困難の極みでしたが、小さなチャンスを掬いとるようにものにして、「アフリカ」を見せてアピールしていきました。 今ではオフィスと直営店舗を構え、トーゴと京都に自社のための製品を製造・販売するスタッフを抱えています。 中須さんを知る人は、彼の明るさと腰の低さ、人を傾聴する姿勢を褒めたたえます。それは彼が金融マン時代に培った処世術かもしれないし、あるいは生来の美徳なのかもしれません。 『Go To Togo 一着の服を旅してつくる』は、タイトルどおり、中須さんが旅の途上にあり、ビジネスも緒に就いたばかりのところで締めくくられています。アフリカと日本にしっかり拠点を置き、新たな展開を模索し続ける中須さんの「その後、そして今」を読みたいものですよね! 【著者】 中須俊治 なかす としはる 1990年京都府生まれ。滋賀大学経済学部卒業。株式会社AFURIKA DOGS代表取締役社長、重彩プロデューサー。 大学在学中、就職活動に疑問を感じ、アフリカのトーゴ共和国を訪れ、現地のラジオ局にてジャーナリストとして番組制作に携わる。帰国し、卒業後は金融機関に入社、営業担当として勤務したのち、独立、起業。 「みんなが笑って過ごせる世界をつくる」ために日本とトーゴを往復し、築いた人脈を強固にしながら、両国の職人の技術をつないで自社製品の開発を進めている。トーゴから輸入した独特の模様のプリント布地は人気を博し、有力百貨店での展示販売を行うなど、アパレル業界に静かなる旋風を起こしつつある。