ジャーニー 国境をこえて
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『ジャーニー 国境をこえて』
●●●きじとら出版の絵本●●●
【特報!】
著者のフランチェスカ・サンナさん、来日!
2023年10月、大阪で講演とワークショップが開催されます!
10/7(土)13:30~16:00 大阪府立中央図書館(東大阪市)
国際講演会「イタリアの絵本作家フランチェスカ・サンナ、自作を語る」
定員60人(先着順)
参加費1000円
10/8(日)13:00~16:00 大阪府立中央図書館(東大阪市)
ワークショップ「フランチェスカ・サンナさんと絵本をつくろう!」
定員 小学生30人(先着順)
参加費500円
両日とも、申し込み・問い合わせはこちらへ
⇒ 一般財団法人大阪国際児童文学振興財団 http://www.iiclo.or.jp/
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『ジャーニー 国境をこえて』
作 フランチェスカ・サンナ
訳 青山 真知子
タテ215mm×ヨコ286m 44ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN 978-4-908214-10-3
2018年9月15日 第1刷発行
★★2017年アムネスティCILIP特別賞(ケイト・グリーナウェイ賞)★★
★★全米イラストレーター協会ゴールドメダル★★
★★エズラ・ジャック・キーツ賞次点★★
★★東京都板橋区立いたばしボローニャ子ども絵本館主催
第24回いたばし国際絵本翻訳大賞〈英語部門〉受賞作品★★
【帯の言葉 推薦文】
「ただいま」といえる故郷はありますか?
戦争が奪うのは命だけじゃない、笑顔も居場所も奪った。
それでも彼らは、そして私も生きようとしている。
―――――サヘル・ローズ(タレント・女優)
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美しい色彩、現代的なタッチ、構図の取りかたやデフォルメのしかたに若さのにじみ出る、躍動感の溢れる絵が魅力です。どんな楽しいお話の絵本なんだろう?と想像させる力があります。けれど、この絵本に描かれるテーマは、難民。
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絵本の冒頭です:
《ふるさとの町は、海がちかい。
夏になると毎週のように、家族そろって海へいった。》
(中略)
《戦争がはじまったんだ。
くる日もくる日も、こわいことがおこって、
あっというまに、めちゃくちゃになった。》
《そして、ある日、戦争は、とうさんをうばった。》
*
おかあさんと二人の子どもは途方に暮れます。
あるとき、おかあさんは友達から「よその国をめざす」という話を聞きます。
それでおかあさんは、自分もそうしよう、子どもを連れてここを出よう、と決意します。
《「安心してくらせるところよ」》
《「わたしたちもいきましょう。もう、おびえてくらさなくてもよくなるわ」》
親子3人の長い長い旅が始まりました。危ない危ない旅。どれほど想像をたくましくしても、その苦しみと恐怖に思い至ることは、私たちにはできません。
おかあさんは平静を装い、「すごいぼうけんができる」なんて言って、子どもたちの不安を取り除こうと懸命です。
そして、絵本の中では、どうにかこうにか、旅の終わりが近づいて――。
《いっしょにここまでこられて、ほんとうに運がよかったと、かあさんがいう。》
《安心してくらせるところへ、たどりつけますように。
そこが、新しいふるさとになってくれますように。》
*
サヘル・ローズさんの推薦の言葉を読んだ時、岡真理さんの著書『記憶/物語』を思い出しました。岡真理さんはアラブ文学研究者で京都大学の教授です。
本書の最後のほうで、岡さんが、自身の友人でユダヤ系フランス人の女性にインタビューをした時のことが綴られています。
その女性の両親はユダヤ系ポーランド人で、ホロコーストを命からがらなんとか生き延び、新生国家イスラエルでその女性ら子どもたちを産みました。その後家族はフランスへ移住。女性は11歳でフランス国籍を取得しました。その後、日本人と出会い結婚し、日本に住んでいます。
岡さんは、生まれたイスラエルと10代を過ごしたフランスと、どちらを故郷ととらえているのだろう、という気持ちで、「あなたの祖国はどこ?」と尋ねました。すると女性は、長い沈黙と逡巡ののち、「……ポーランドかな」と答えるのです。
戦争がなかったら、ヒトラーがいなかったら、なにごともなく、彼女はポーランドで生まれ育っていたはずなんです。
女性の心に去来するもの……。想像を絶します。
*
「ふるさと」と呼べる「居場所」のあることの、なんと貴重なことかと思います。
そして、仮にそう呼べるものを失くしたとしても、生き抜いていかねばと踏ん張り、生き抜いていきたいと希望を捨てない、人間の命が誰にあっても等しく輝いていることを、思い知ります。
『ジャーニー 国境を越えて』は、「かあさん」の表情が秀逸です。ぜひ、お読みください。
*
以下、カバー袖に記載の著者情報です:
【作】
フランチェスカ・サンナ Francesca Sanna
1991年、イタリアのサルデーニャ島生まれ。州都カリアリをはじめとし、様々な国でイラストレーションを学ぶ。スイスのルツェルン応用科学芸術大学で修士課程を修了。2016年にイギリスで発表された本作は、ケイト・グリーナウェイ賞候補から選ばれるアムネスティCILIP特別賞ほか、全米イラストレーター協会ゴールドメダル、エズラ・ジャック・キーツ賞次点など、名だたる賞を受賞。これまで20か国語に翻訳されており、世界的に注目されるデビューとなった。スイス、チューリッヒ在住。
〈公式サイト〉https://francescasanna.com/
【訳】
あおやま まちこ 青山 真知子
1951年生まれ。2004年から灰島かり氏の絵本翻訳講座を継続して受講、講座終了後も仲間と子どもの本の翻訳を楽しんでいる。現在は文芸翻訳講座に通う。本作で第24回いたばし国際絵本翻訳大賞(英語部門)最優秀翻訳大賞を受賞。
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