こどもってね……
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『こどもってね……』
●●●きじとら出版の絵本●●●
作 ベアトリーチェ・アレマーニャ
訳 みやがわえりこ
タテ310mm×ヨコ232mm 36ページ
定価:本体1,600円+税
ISBN 978-4-908214-08-0
2017年9月25日 第1刷発行
2018年7月10日 第3刷発行
★★東京都板橋区立いたばしボローニャ子ども絵本館主催
第23回いたばし国際絵本翻訳大賞〈イタリア語部門〉受賞作品★★
【推薦の言葉】
「「おおきな世界をいきている」ちいさなひとたち。
たくさんのいいことを大人は落っことして生きていると、
この絵本を読んで思いました。もったいないなぁ。
だけど、こどもと大人の境目なんてほんとにあるんだろうか。」
―――――高山なおみ(料理家、文筆家)
*
表紙にも裏表紙にも、いろいろな表情をした、髪の色や肌の色の異なるたくさんのこどもたち。ページをめくれば、いたずらっぽい瞳や、くいしんぼうな口元。ああいるいる、こんな子、と身近なあの子この子を思い浮かべます。好奇心に満ちた表情、穏やかな寝顔。どの子も幸せそうです。
でも、ほんとうに、子どもたちみんながみんな、幸せでしょうか。
誰もがめいっぱい愛されて、育まれているでしょうか。
私たちは、この子たちがぞんぶんに喜怒哀楽を享受できる未来を、準備しているでしょうか。
*
絵本の冒頭です:
《こどもってね、ちいさな ひと。
でも、ちいさいのは すこしのあいだ。
いつのまにか しらないうちに おおきくなる。
すこしずつ おともたてずに せが のびるんだ。
こどもってね、ずっと こどものままじゃないんだよ。
いつか きっと おとなになる。》
*
こどもは、いつかおとなになる。
当たり前のことですね。
けれど、当たり前だからこそ、「こども」の時間は貴重なのです。
黙っていても、何もしなくても、子どもはいつか大人になる。
叩いても、蹴っても、罵っても、子どもはいつか大人になる。
遊んで、おしゃべりして、笑って、泣いて、歌っても、子どもはいつか大人になる。
《ちいさいのは すこしのあいだ》
少ししかない「こども」の時間を、「幸せ」で埋めつくすことは、けっして難しくないはず。
この子たちの今と未来が幸せでありますように。思わずそう祈りたくなる、絵本です。
*
子どもと一緒に遊ぼう。子どもと一緒に歌おう。
一緒に笑おう。一緒に泣こう。
走ろう、くたくたになるまで。話そう、つかれて眠くなるまで。
一緒に眠ろう。
子どもと一緒にいよう。ずっとずっと、いっしょにいよう。
*
この絵本はきっと、大人のほうが感情移入しやすいと思います。
アレマーニャの描くいきいきとした子どもの表情に、大人の脳裏にはさまざまなことが去来することでしょう。
顔ばかり出てくるこの絵本、子どもたちはきっと「顔!」「また顔!」「あ、泣いてる!」「鼻くそ?」「口開けて寝てる!」とかなんとか、目の前の絵だけでじゅうぶん楽しめるけれど、できれば大人が一緒に本を開いて、「この子の目は何を見ているのかな、お空? 小鳥さん?」とか、「泣いてるね、どうしたんだろうね」とか、「どんな夢を見てると思う?」とかなんとか、絵を題材にお話を好きな方向へ無限に膨らませていってください。
*
《こどもってね、スポンジみたい。
なんでも すいこむんだ。》
そうなんです。私たちがもう吸い込めない分も、子どもたちに吸い込んでもらいましょう。どうぞ、楽しい絵本の時間を!
*
以下、カバー袖に記載の著者情報です:
【作】
ベアトリーチェ・アレマーニャ Beatrice Alemagna
1973年、イタリア・ボローニャ生まれ。いま、最も注目を集める絵本作家のひとりである。イタリア・アンデルセン賞最優秀画家賞ほか、受賞歴多数。自らが「代表作」と呼ぶ本作は10か国以上に翻訳され、ヨーロッパを中心に世界的ベストセラーとなっている。邦訳作品はほかに『もうふのなかのダニィたち』(ファイドン)など。パリ在住。
【訳】
みやがわ えりこ 宮川絵理子
1987年、東京都生まれ。東京外国語大学外国語学部にてイタリア語を専攻。卒業後、イタリア・トスカーナで6年間を過ごす。シエナ大学史学文化財学科人文科学コース(美術史専攻)在学中に、第23回いたばし国際絵本翻訳大賞(イタリア語部門)最優秀翻訳大賞を受賞。2017年に同大学を卒業、帰国。
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