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月の家の人びと

¥1,870 税込

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『月の家の人びと』
砂岸あろ 著
1,700円+税
B6判変型(171×120mm) 並製 288ページ
ISBN978-4-909819-10-9


《杏は鏡を持った手をのばし、いったん上に高くかかげてから、軽く深呼吸して中をのぞきこみました。
 さっきよりも輝きを増したまるい月が、鏡の上のほうにうつっています。
 その前に、瞳をきらきらと光らせ、かたくくちびるを結んでいる、一人の女性がうつっていました。》(第四章 月の鏡 より)

   *

物語を紡ぐ人、砂岸あろ――。
美しいもの、純粋な心、ちょっぴり不思議なできごと……。人が見失いがちなものたちにこだわりつづけ、物語を創りつづけてきた著者が、祖母と過ごした「月の家」の思い出を温めながら書き、時を経て幾重のてがかりをも加味して書き上げた長編。
《その家は、(中略)志賀直哉が住み、『山科の記憶』などを書いた家です。それから数年後、私の父方の祖父母一家がその家に移り住みました。》(著者による「あとがき」より)

   *

京都在住の漫画家、グレゴリ青山さんから帯に推薦文をいただきました!

   物語を読んでいる間、ずっと
   月の光に包まれている心地がしました。
   美しい京都山科文学の誕生です。
       ――――――― グレゴリ青山

グレゴリ青山さん:漫画家。京都在住。著作に『グレさんぽ~猫とかキモノとか京都とか~』(フラワーコミックススペシャル2020年)『京都深掘りさんぽ』(小学館文庫2017年)など多数。

   *

目次

第一章    赤い傘
第二章    夜の犬
第三章    水の皮膚
第四章    月の鏡
第五章    風の靴
第六章    鬼の木
第七章    空の椅子
第八章    眠る絵
終 章    月のいる庭

   *

著者プロフィール

砂岸(すなぎし)あろ
京都市生まれ、京都市在住。京都精華短期大学(当時)で美術を学び、1986年よりアトリエ・ウーフ絵画教室を主宰しながら、少女マンガ原作、児童文学、エッセイなどを書く。「海の方法」同人。著書に『駱駝はまだ眠っている』(かもがわ出版、2005年)、『ほおずきの夜』(白馬社、2007年)、『黄金色の風になって』(上下、講談社青い鳥文庫、2009年)、『せんをひく』(福音館書店こどものとも、2010年)などがある。

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